負帰還増幅回路

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モンスターハンター

先日、IPAネットワークスペシャリスト試験(NW試験)を受験しました。1年半前のエンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES試験)以来の情報処理技術者試験受験となりましたが、無事に合格できました。

http://instagram.com/p/xy936ButYX/

 

せっかくなので受験記でも書いておこうと思いましたが、びっくりするほど有意義な内容がありません。「NW試験の必勝法!」とか「ネットワーク管理者経験のない筆者が2週間の勉強でNW試験に合格したたったひとつの冴えたやりかた」とかそういう有用な情報は何もないので、その点ご了承願います。また随所にミサワ的な表現が現れるので、苦手な方は読まないほうがよろしいかと思います。

 

 

<NW試験とは>

詳細は下記IPAのwebサイト参照。

IPA 独立行政法人 情報処理推進機構:制度の概要:ネットワークスペシャリスト試験

本試験は「高度IT人材として確立した専門分野をもち、ネットワークに関係する固有技術を活用し、最適な情報システム基盤の企画・要件定義・開発・運用・保守におい て中心的な役割を果たすとともに、固有技術の専門家として、情報システムの企画・要件定義・開発・運用・保守への技術支援を行う者」を対象者像としている。

試験は日曜日に丸一日かけて行われる。午前I, IIと午後I, IIの4つに区分され、先にやった区分で合格点を取れなければその後の区分は採点すらされない。なお、私は1年半前にES試験に合格しているので午前Iは免除となる。情報処理技術者試験自体は年間で春秋の2回であるが、NW試験は秋のみ実施。

 

<受験の経緯>

1年前の春に自己啓発というか力試しのつもりでES試験を受験し合格したので、受かった後特有の意識高いモードでその次の秋のNW試験を受けようと考えていたのだが、その直後に見事にやる気をなくし受験も勉強もせずクズみたいな生活をしていた。

ご参考:前回の受験記

アクトレスの未来を信じて - 負帰還増幅回路

 

そして去年の夏、伝説となった最高の夏ライブ開催を目前に控えた時期。

「最高の夏ライブが終わったらやること何もなくない?」という恐怖と「ここ数ヶ月ギターばっかり弾いててそれ以外の努力何もしてなくない?」という焦りを感じており、カゲプロの影響でNW試験でも受けることにして勉強をしようと考えた。

「何故NW試験なのか」については、私自身ネットワーク管理者情報システム部門の経験があるわけではなく、これまで自身の興味や業務における必要に応じてちょこちょこと独学でやったことがある程度のくせに「次受けるならNW試験やな」という謎の思い込みがあっただけである。専門用語で具体的に言うと「ApplicationやServerのIPv6化設計をやったことがあり、その時にOSI reference modelの2~4層を必要な範囲で勉強したことがある」という経験だけを根拠に受験することにした。このため、それ以外の技術分野、つまりSecurityやWAN側の知識などは常識レベル(?)でしかない状態での受験となり、正直に申し上げると上記の対象者像からは乖離しているので、受かればラッキー程度の心意気である。

 

<受験日までの過ごし方>

本当に悲惨だった。

試験は10月の第3週なので、当初は「9月頭の最高の夏ライブが終わったら勉強しよw」と考えていた。

最高の夏ライブがオワッた後、9月末にバンドメンバーで下田に打ち上げ旅行に行くことになったので「旅行から帰ってきたら勉強しよw」と考えていた。

旅行から帰ってきた後、そろそろ勉強するべきタイミングのはずが「きりが悪いし10月になったら勉強しよw」と考えていた。

さすがにやばいと考えて10月に入ってすぐ勉強を開始した。とはいえやることは前回のES試験と同様、通勤時に参考書を読む、だけである。一日の勉強時間は40分程度。

10月第2週の三連休では、仮面ライダー鎧武ファイナルステージを観に行ったり横浜オクトーバーフェストに行ったり奥多摩秘宝館に探検に行ったりと普通に遊びまわってしまった上に、モンスターハンター4Gが発売されてしまった。死んだと思った。

このように9月10月はとても楽しい日々を過ごしたのだが、試験勉強をすべき人間の過ごし方としては本当に悲惨だった。

モンハンをちまちま進めつつその合間にちまちま勉強をしたが、午前IIの試験範囲すら終わらないまま試験日前日になってしまった。こんなこともあろうかと試験日前日の土曜日は終日オフにしていたので、ここでいっちょ挽回したるぞと一夜漬けのみで単位を取ってきた学生時代とまったく変わらないテンションで一夜漬けを覚悟するのであった。

ところが土曜日、起床したら何故か夕方だった。

平日は頑張って仕事をしていたので休日に寝すぎるリスクはあったとはいえ、「は?なんで?おかしくない?」と思いながら勉強を開始したものの頭のなかではもうだめだもうだめだしか言ってなかった。結局時計が0時を回り受験当日になっても午前の範囲すら完全には終わってなかった。まあ1年半前にES試験受けた時は過去問も初見で8~10割取れてたし何とかなるやろ…と自分に言い聞かせることしか出来なかった。

 

<受験日当日>

前日に夕方起床をキメてしまったので、もうこれは寝れないな…と考えていたら友人がモンハンやろうぜと言ってきたので諦めてモンハンすることにした。試験開始の4時間前まで、私はみんなとゴグマジオスを倒していた。みんなで狩りに行けるのもネットワークのおかげなんやな…ありがとうネットワーク…と言いながらゴグマジオスを倒していた。結局午後の試験対策は何ひとつできなかった。

朝7時半、ニチアサが始まったので普通にトッキュウジャーを観た。この段階で今日試験行くのやめようかなと考えていたが、せっかく起きているので行くことにして仮面ライダードライブを観ながら準備しプリキュアは諦めて出かけた。午前Iが免除なので少し朝に余裕はあるとはいえ、受験会場が家からやや遠いのでプリキュアはどうやっても観れないのである。

会場は神奈川県のド田舎律、前回のES試験と同じ場所である。

会場にはいかにも我々ネットワークめちゃめちゃ得意です!みたいな人がたくさんいた。どちらかと言うとネットでワイワイクソ野郎の私は居場所がなかった。こんなことなら家でおとなしくプリキュア観ておけばよかった。

午前は初見問題以外は普通に解けた感触だった。これの出来が悪かったら即帰って寝ようと思っていたが、完全にダメという感じではなかったので午後も受けることにした。昼休憩は死ぬほど眠かった。下記はそのときのツイートです。

午後は、複数の問題の中からどれを回答するか選ぶ形式なので、自分のスキルセットで何とかなりそうな範囲の問題があるかにかかっていたが、ここに関しては本当に運が良かった。

午後Iは、下記のうちから2問を選択して回答。

  1. NW冗長化、routing、WAN高速化装置
  2. Firewallの障害対応
  3. NWのSecurity対策、DNS

 2.と3.ならば今の知識でなんとかなりそうな気がした。クソネミ状態の中、終了時間まで何度も記述を推敲した。

 午後IIは、下記のうちから1問を選択して回答。

  1. 標的型メール攻撃対策
  2. SIPベースのシステム構築

 ざっと見ただけでも2.は何もわからない感じだったので消去法的に1.を選択。推敲も含め意外とすぐ終わったので退出可能時間になったら即退出して寿司買って帰ってすぐ寝た。

今回の午後試験はかなりSecurity寄りの問題が多かった印象で、問題をしっかり読めば手持ちの知識でも何とか解答できた。ただ、これ100%正解やろって内容が書けたのは全体の4割弱程度であり、合格ラインの6割達成は部分点あるいは配点割合次第だと考えていた。

 

<結果>

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運良く合格した。

午後は本当にぎりぎり合格ラインである。自己採点では甘めに見積もって6割だったので、部分点だけだと思ってた回答が実は満点だったり配点割合に救われたのだろう。

今年の合格率は13.9%と例年より少し低かったようだが、過去問と比較して今回は簡単な部類なのだろうと思った(受かったからこういうことも言う)。ゴグマジオスを初見ソロで倒すほうが難しいかもしれない。

解答は後日IPAから公開されるのだが、各設問ごとの配点割合については公表されない。そしてこの試験の合格率は例年14~15%程度であることを考えるとおそらく絶対評価での6割ではなく、偏差値つまり相対的に上位15%程度に入れるかどうかで合格が決まるのだと思う。回答するのに必要な知識が足りない場合でも、とにかく問題をしっかり読んで求められているものはなにかを見極め、完璧な回答は無理でもそれに近づく解答をひねり出して回答欄を全部埋めることが重要と考える。

 

<所感>

結果的に完全に舐めプで受かってしまった形である。十分な勉強をしなかった上に徹夜でモンハンした後に受験と、考え得る限り最悪の状況だったが受かる時は受かるのだと思った。好意的に解釈すればこれまで勉強したことは身についているしそれは合格水準に対し十分だった、ということなのだろうけど、ネットワーク関係の仕事してる人なら当たり前に知ってるような知識すらないまま受かってしまったという実感はある。

(そもそもスペシャリストと銘打たれているのに6割の達成で合格水準というのはどうなのスペシャリストなら10割じゃないとダメじゃないのとも思うが、実際のところシラバスどおりだと本当に膨大な技術範囲となり、それらを全て抑えるというのは現実的ではない)

このままでは試験受かってるのに知らないことがたくさんあるという逆に恥ずかしい状態なので、継続的に勉強しようと思う。しかし前述のとおり別にネットワーク関係の仕事をしているわけではないし、そういう知識が求められる場面も現時点ではあまり多くないのでどれだけがんばるかはわからない。

自身の考えるキャリアプランとしては、他の情報処理技術者試験のうち有用なのものは情報セキュリティスペシャリスト試験とシステムアーキテクト試験である。試験に受かった直後特有の意識高いモードで春の情報セキュリティスペシャリストを受けてみようかなとも思うのだけど、もうたった3ヶ月後だと思うと逆にそこまで意識高いモードが持続するとも思えないので、気が向いたら受験しようと思う。

 

 

以上です。前よりきちんと勉強しているわけでもないのに無駄に長く書いてしまった。勉強せずに受かっちまったわーつれーわーみたいな文章ですみません。前述のとおり中途半端なまま受かってしまったのでネットワークに関する質問などはしないでいただけると幸いです。

今回の例のように、試験に受かったり高得点を取っていさえすれば知識や技量が十分というわけではないと思います(その逆、つまり知識や技量が十分なのに試験に落ちるということはあまりないですね、TOEICなんかもそうですが)。

会社によってはこのような高度試験に受かるとウン十万などの報奨金や手当が出るところもあるようですが、弊社は特にそういうのはなく、賞与査定に若干影響する程度です。ただ、試験に合格するなどの客観的に評価可能な実績があるというのは、スキルの証明そのものよりも、そういう向上心がある、勉強する意欲があるなどの根拠にできるといった面ではそれなりに意義があると思うので、今後も試験を視野に入れつつ何かしら勉強しようと思います。

ちなみにTwitterで私がfollowしている方にIPAの高度試験すべてに合格している方がいますが、本当にすごいと思います。

 

<備考>

今のTwitterスクリーンネームが「プロ@ヒカキン団」なので何を言ってもまったく説得力がない感じになってしまった。

この間までプロフィールに「Engineer / Programming / Embedded software design / Linux kernel Hack / IPv6 networking / Embedded Systems Specialist / Network Specialist」とか如何にもデキる技術者ですって雰囲気が出る内容を書いていたというのに麻雀で負けた罰ゲームでこの有り様だよ。

 

以下参考画像です(私が作ったものではありません)

 

 

 ありがとうございました。